タミルナドゥ州はインド最南端の東側に位置し、南インドの窓口として貿易や製造業で栄えてきました。
現在もインド2位の経済規模を誇り、海外企業の進出や投資も順調に増加しています。
優秀な理系人材や技能実習生候補も多く、彼らの勤務先としての日本への注目が高まっています。
1.タミルナドゥ州の基本情報
- 州都:チェンナイ(旧マドラス)
- 人口:7,600万人(2021年推計 タイと同規模)
- 面積: 13万 km
- GDP: 3,540億ドル(23年度推定値)
インドの州として28州中2位。 全インド GDP の 約9% - 東インド会社が拠点を置くなど、アジアへの窓口として昔から栄える
- 主要言語:タミル語、英語
- 通称:「インドのデトロイト」「南インドの窓口」
2.インドを代表する経済・製造業の州
- 製造業が盛んで「インドのデトロイト」と呼ばれる
- 主要産業:二輪・四輪、自動車部品、プラント、化学、セメント、エレクトロニクス、医薬品、繊維など
- 進出日系企業:190社/579拠点。 28州中3位 (22年10月時点)
日産、ヤマハ、パナソニック、日揮、東芝、コマツ、フジテック、三菱電機など - EV、iPhoneの製造地としても急速に発展中
- IT産業も急成長。オフショア開発費用もベンガルールより2~4割低めであり、「第2のベンガルール」として注目を集める
- 漁業も盛んで、養殖エビは日本にも輸入されている
■日本工業団地
インド全国の12の「日本工業団地(JITs)」のうち、州内にワンハブ・チェンナイ工業団地、オリジンズ・チェンナイ工業団地、双日マザーサン工業団地の3団地が。インフラも整備されている。
■空港・港湾
- チェンナイ国際空港がハブ。日本からはシンガポール、バンコクなど経由し、当日中に到着できる。
- ANAの成田=チェンナイ直行便が19年に就航(新型コロナの影響で現在運休中)
- 港湾:チェンナイ港、カマラジャール港、カトゥパリ港など
■政府サポート窓口
- Guidance Tamilnaduが日本企業へのワンストップ窓口として積極的に活動
- 株式会社サンウェル(本社:横浜)がジャパンデスクとして、日本企業からの問合せに日本語で対応
3.優秀で豊富なタミルナドゥ人材
■インドトップの“理系州”
- 工科系学生数は30万人を超え、その数は28州のうち第1位
- 工科大学(Engineering College)数は727校。28州のうち第2位
- 2023年国内大学ランキングにおいて、TN州の大学18校がトップ100にイン
100位以内の州別学校数では州別トップ - 日本での就職希望者・勤務経験者も多い
■温和な人柄は日本むき
- インドは14歳以下の若年層が人口の約25%を占める“若者大国”
- 日本製品やアニメなどを通じて日本に憧れる若者が増えている
- 都会より地方都市での勤務を希望する技能実習生が多い
- タミルナドゥ州の人たちは温和で勤勉、オープンな気質で、日本企業・社会との相性が良いと言われている
4.タミルナドゥ州の文化
- お米と魚を中心とした食文化。食のタブーは比較的少ない
- 新しいもの好きで、日本製品や文化、日本食への関心も高い
- 音楽の街として知られる。毎年12月~1月にインド最大のミュージックイベントを開催
- 世界遺産が3か所(マハーバリプラムの建造物群、大チョーラ朝寺院群、インドの山岳鉄道群・ニルギリ山岳鉄道)あり、観光地としても人気
- イギリス、フランス統治時代の街並みが残り、撮影スポットとしても注目