インドについて

日本ではあまり知られていませんが、実はインドは世界トップクラスの漁業国です。国連食糧農業機関の統計によると2022年の漁獲量・生産量はインドが約1,577万トンと中国、インドネシアに続く世界3位。日本は約391万トンの12位で、4倍近い差があります。市場規模は2022年が前年度比10.34%、輸出量も同19%と順調に拡大しています。

日本にもインドから海産物が輸入されており、22年の統計では同国からの輸入の37%をエビ(活・生鮮・冷蔵・冷凍)を、カマボコやさつま揚げに加工されるイトヨリのすり身が3.2%を占めています。インドでは日本企業による冷凍エビフライの製造もはじまっているそうで、お弁当に入っているエビフライが実はMade in Indiaといったこともありそうです。

一方、国内の漁業生産量と消費量は州ごとの差が大きいのがインドの特徴です。インド国家漁業開発庁の2022年度年次報告書によると、州別の生産量ではタミルナドゥ、ケララ、アンドラ・プラデシュなどの南部の州が上位を占めます。州別の魚消費世帯数割合(1000 世帯あたり世帯数・都市部)もケララやゴアと言った南部の港町では800前後と高いですが、内陸の首都デリーはわずか51です。また北西部のグジャラート州では生産量は全国トップクラスなものの消費世帯数は84にとどまり、これは同州のベジタリアン人口の多さが原因と考えられます。そのためインドでは訪問する州によって「シーフード料理が豊富だった/全く見かけなかった」と正反対の結果が出てしまうので注意が必要です。

このように漁業が盛んなインドですが加工技術はさほど高くはなく、付加価値が高い商品の開発はこれからです。また冷凍、冷蔵設備も不足しており、生鮮食品の3割近くが輸送中に腐敗し廃棄されているという報告もあります。JICAによるインド水産品輸出促進機関へのインタビューによると、水産品の輸出には品質・衛生面で国際基準を満たす必要があるが、企業の多くが技術不足から対応できていないとのこと。そのため日本企業から加工技術の指導や、コストをかけずに水産品の鮮度維持ができる商品などが歓迎されそうです。

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インドでも焼き魚

インド料理と言えばカレーのイメージが強いですが、素材をシンプルに焼いただけの料理も楽しめます。タミルナドゥ州やケララ州の海沿いにはシーフードの屋台が並び、そこで買った魚やエビをレストランに持ち込むと指定した方法で調理をしてくれます。おススメは素材の味が活きるよう、塩コショウに少しのスパイスだけで炭火で焼いてもらうスタイル。ビールにぴったりの味になりますよ。

干し魚も販売されています
ケララ州の伝統的漁法
チャイニーズ・フィッシング・ネット
タミルナドゥ州チェンナイの魚市場
エビの塩焼きスパイス風味