インドについて
第2回 『インドの言葉』
インドと言うとヒンディー語のイメージが強く公用語でもあるのですが、日常的に使っている人の割合は実は全国で4割ほど。6割近くの人々は各地の言葉を母語としています。インドにはヒンディー語をはじめタミル語、カルナタカ語、ベンガル語などの21言語が憲法で公認されており、2011年の国勢調査では121もの言語が確認されました。方言なども含むと話されいる言語は1000を超えるという説もあり、インドは世界有数の多言語文化圏なのです。同じインド人同士でも言葉が通じないこともあるため、ビジネスの場では英語が使われることが一般的です。英語は教育の場でも広く使われており、小学校から英語で授業を行うことも珍しくありません。
「愛媛県インドサポートデスク」があるタミルナドゥ州では、地元の言葉のタミル語が公用語です。そのためタミルナドゥ州へ行ったら、ヒンディー語の「ナマステ」ではなく、タミル語の「ヴァナッカム(こんにちは)」と挨拶をすると喜ばれますよ。
「インド人は数字に厳しい?」
インドでは「チキンカレー 200ルピー 500g」「ビリヤニ(炊き込みご飯) 125ルピー 350g」のように、レストランのメニューに価格と一緒に重さが書かれていることが珍しくありません。
その理由をインド人に聞いてみたところ、「カレー1人前」「ビリヤニ1人前」という表示だと店によって量が違う。「1人前」のカレーを頼んでもお客とお店が考える「1人前」の量が違って、トラブルになることがある。だから「重量」基準で販売するのが合理的なのだそう。確かに日本でも「チャーハン1人前」を頼んで予想より「多い/少ない」と思うこともがありますね。数字に強く、コストパフォーマンスをシビアに考えるインド人気質はこんなところにも表れているのかもしれません。