インドについて
第3回 『インドの小売市場と小分けパッケージ』
インドの2023年度GDP成長率は前年度比8.2%と、21年度の9.7%、22年度の7.0%に続き高い成長率が続いています。それに伴い消費も活発で、インドの小売市場規模は年平均成長率9%で成長する見込みです。特に上位中間層においては所得水準向上に伴って消費が多様化する傾向があり、愛媛県企業の商品に強い興味を持ってもらえる可能性が高まっています。
その一方、インド全土で1,400万店あると言われる小売店の9割以上が「キラナ」と呼ばれる伝統的な店舗です。キラナはパパママストアとも呼ばれる家族経営主体の超小型小売店で、狭い店内には床から天井まで商品がぎっしりと並べられています。その狭さゆえお客が店内で商品を手に取り吟味する余裕はなく、店頭でスタッフに欲しいものを告げて手渡ししてもらうスタイルが一般的です。このように、キラナでは日本のスーパーのようにお客が自分で複数商品を比べることができないため、スタッフのおススメを参考にすることが多いようです。
そのような狭い店内で販売するため、商品のパッケージは小型のものが多いです。日本ではボトルが一般的な調味料やインスタントコーヒー、シャンプー、紙オムツなどのウェルネスケア商品も、数回で使いきれる少量パックの製品が主流です。そのため、日本メーカーもキラナで扱ってもらうよう小さめパックを展開しており、マミーポコ紙おむつの2個入りパックや、名刺大サイズパックの味の素などが販売されています。その背景には所得が低い層も必要な分だけ購入できるようにし、ブランドを知ってもらうという戦略があるようです。
インドの都市部ではスーパーマーケットやコンビニも登場していますが、キラナのような小規模店舗保護の関係から小売店の展開はいまだ外資規制の対象となっています。キラナは常連客の好みを把握し、商品の取り置きや無料デリバリーサービスを提供するなど地元密着型の商売をおこなっているため、スーパーがあるような地域でもキラナ人気は健在です。そのため愛媛県内企業がインドで商品を販売する際には少量パックの開発や、店主やスタッフに自社製品をお客に勧めてもらう根回しをするなどのキラナ対策が必須となるでしょう。
愛媛県インドサポートデスクでは、業界や製品ごとにおけるインドでの市場リサーチやインドビジネスを展開するにあたり必要となる税制・法制度の助言等を無料(お問合せの内容によっては、専門機関への仲介等の有償サービスとなる場合があります)で行っております。
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「インドはポテチも食べきりサイズ」
インドでもポテトチップスは大人気ですが、少量の食べきりタイプが一般的です。1袋10~20ルピー(約20円~40円)ほどのお手軽価格で、学校帰りの子供たちがキラナでうれしそうに買っている光景もよく見かけます。チリレモンやマジック・マサラ、トマト・タンゴなど日本ではお目にかかれないテイストも多く、いずれもスパイシーでビールにぴったり。インド滞在中に食べ比べてみるのも楽しいかもしれません。