第15回 『インドの少子高齢化とシニアケア市場』
『インドの少子高齢化とシニアケア市場』
インドの人口は2023年に中国を抜き、世界一となりました。同年のIMF統計では人口は14億3,651万人で、2050年には16億人を超えると推測されています。また、インドは人口の半数が25歳以下の若い国であり、人口ボーナス期は2040年代後半まで続くと推測されています。
しかし、政府主導による人口抑制策や伝統的な大家族から核家族への移行、女性の社会進出などを背景に、デリーやムンバイ、チェンナイといった大都市圏はすでに少子高齢化が始まっています。一般的に、人口の維持に必要な合計特殊出生率は2.07程度とされていますが、愛媛県インドサポートデスクがあるタミルナドゥ州の都市部の出生率は1.5、首都のデリー準州では1.4とその数値をすでに下回っています。
その一方で、インドの平均寿命は延びており、2020年の男性61.8歳、女性63.6歳が、2020年には男性68.6歳、女性71.8歳となっています。それに伴い老年人口比率は2020年の7%、約9,342 万人から、2050年には14.8%に倍加し2 億3,572 万人に達すると推計されており、この老年人口は中国に次ぐ2番目の多さです。
このような都市部における少子高齢化を背景に、シニア向け商品やケアサービスなどの市場が注目されています。英国のリサーチ会社imarcによると、シニア向け紙おむつ市場規模は2023年の1億3,880万米ドルから、2032年までに2億9,420万米ドルに達し、2024~2032年の間に8.4%の成長率を示すとされています。
また高齢者向けケアサービスの需要拡大を背景に、スタートアップ企業による市場参入が進んでいます。インドでは伝統的に家族の結びつきが強く、高齢者もできるだけ自宅で過ごしてもらいたいという人が多いことから、AIを使った認知症の早期発見やケアプログラムの作成、介護士と利用者のマッチングサービス、自宅介護用医療機器の管理サービスなどがはじまっており、介護の先進国である日本企業との協業を求める企業もあるようです。
ここ最近はインド出身の介護人材が日本で働き始めており、今後は高齢者ケア分野における日印のつながりがより深まることでしょう。
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